京都・西本願寺の伝統修復技能「埋め木」が遊びゴコロいっぱい

Array
2017/04/26

京都の人たちから「お西さん」と親しまれている西本願寺(京都市下京区。正式名称は『龍谷山 本願寺』)。 京都駅から徒歩約10分ぐらいのところにあります。この駅チカ仏教寺院は、堀川通り沿いに総門をどっしりと構え、赤、白、緑の幕がはためく様は圧巻で、多くの人が参拝に訪れます。今回はこのお寺に見られる「埋め木」について紹介したいと思います。 

「埋め木」って何ぞや?  

PIC_1227

その前に、西本願寺について簡単にふれておきましょう。 「古都京都の文化財」として世界遺産に登録されている西本願寺は、桃山文化の象徴といわれる建造物や庭園があります。 

13世紀に浄土真宗の宗祖である親鸞上人の廟堂として創建され、移転を繰り返し、現在の堀川通りに移ったのは豊臣秀吉の寄進により1591年のこと。 お寺には「唐門」をはじめ、「御影堂」や「阿弥陀堂」「飛雲閣」など、11もの国宝が存在することでも有名 なかでも、御影堂と阿弥陀堂は一般の人にも無料で開放され、いつ訪れても参拝客の多いこと。 

 

PIC_1228

今年1月、久しぶりに訪れましたが、改めて境内の広さをヒシヒシと感じました。総門と御影堂と阿弥陀堂の間に立つ銀杏の大木は冬枯れしていましたが、秋になると黄金色に染まり、美と情緒を兼ね備えた姿は目とココロを楽しませてくれます。 

PIC_1230PIC_1229

境内の建造物で一番大きい御影堂は親鸞上人の木像が安置され、内陣は270外陣はなんと441畳もあり、「一度に1000人以上の参拝客を収容できる広さです」と、お坊さん。 

 PIC_1231

隣接する阿弥陀堂は中央に阿弥陀如来の木像が安置され、その像を挟むようにインド、中国、日本の念仏の祖師七師、そして聖徳太子の像も。個人的にこのお堂のひっそりとしたほの暗さが好きで、灯りに癒されます。 

PIC_1232

また、御影堂と阿弥陀堂には重厚な縁側や廊下があり、木の迫力ある意匠が感じられるはず。 

本題の「埋め木」はこの縁側や廊下で見ることができます。 埋め木とは、長い年月を経ることですき間や割れ目などが発生する木造建築に用いる修復方法。経年変化で生じてしまった木のすき間や割れ目に木片をあてて埋めていくのです。

洋服であれば、破れたりすり切れた部分に布地を当てて直していくアノ感じですね。 西本願寺の廊下にはいあちこちに遊び心いっぱいのデザインの埋め木が見られます。さあ、探してみましょう。 


まず、お山を発見 

富士山のようにも見える?

仏教寺院にはちょっと異色なハート フォトジェニックだから?このハートの埋め木は大人気 写真撮影する人が一番多かったです。 

ハッピーにな気持ちになるハート型!

 そして、駒(右)とお花(左)のペア。 

PIC_1236

これは鳥でしょうか。

西本願寺の知る人ぞ知る「埋め木」 いろいろなデザインを探す楽しみがあります。 なお、西本願寺では、お坊さんにご案内していただける無料ツアーも実施しています。御影堂、阿弥陀堂、そして「埋め木」についても紹介していただけるので、参加してみては?

  • image by:御田けいこ
  • ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。
いま読まれてます

人生の設定は「いつでも、どこでも、食いしん坊バンザイ!」。人に会い、土地を歩き名物にふれ、郷土の味をあじわいつくす、をテーマに今日もどこかを踏みしめ歩いています。広島県生まれ。

 全国 これが日本の美女。古今東西「美人」と呼ばれた女性たちの変遷 ★ 2893
 東京 ホテルはレトロじゃなくっちゃね。憧れの洋風クラシックホテル10選 ★ 218
 京都 人生で進むべき道に迷ったら、京都の首途八幡宮へ ★ 710
 全国 非公開: こんなに美しかったのか。外国人が撮った100年前の日本の写真 ★ 1191
 東京 日本の最南端は東京都。都民の大半が知らない「東洋のガラパゴス」 ★ 1206
 東京 黄色い桜を拝むと金運アップ? 世田谷の小さなお寺に咲く鬱金桜 ★ 141
エアトリ 憧れの北欧。デンマーク・コペンハーゲンで暮らすように旅をする
京都・西本願寺の伝統修復技能「埋め木」が遊びゴコロいっぱい
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
TRiP EDiTORの最新情報をお届け
TRiPEDiTORオフィシャルメルマガ登録
TRiP EDiTORの最新記事が水・土で届きます